広告のCPAが上がり続けて、利益が残らない——D2Cのオーナーからいちばん多く聞く悩みです。かといってSEOは時間がかかる。この記事は、広告を止めても消えない入口をSEO/AIOでどう作るか、始める順番まで具体的に書きます。結論から言うと、D2CにSEOは効きます。ただし2026年の効き方は、2021年とは中身が変わりました。
結論:SEOは「広告を止めても残る入口」になる。ただし2026年の作り方は違う
広告の弱みは、出稿を止めた瞬間に流入がゼロに戻ることです。SEO/AIOはその逆で、一度上位を取った記事が入口として残り続けます。だからD2CにSEOは効く——これが結論です。ただし2026年は「検索順位を取って、そこからの流入で売る」だけの施策ではなくなりました。順位は、AIの回答に引用されるための入場券に変わっています。 2026年7月22日に「D2C SEO」でGoogleを検索すると、Googleの「AIによる概要」自身が、D2CのSEOを「広告費の高騰を抑えて中長期的に安定したCPAを実現し、自社ブランドへの信頼を高める集客基盤」と要約していました。AIの側が、D2CにSEOは必要だと答えているわけです。
なぜ広告だけだと苦しいのか——「止めたら消える流入」と「止めても残る流入」
広告の強みは、出した日から売れることです。弱みは、止めた瞬間に流入がゼロに戻ること。CPAが上がり続けるのは、同じ広告枠を奪い合う相手が増えているからで、これは自社の努力では止められません。一方でSEO/AIOは、立ち上がりが遅い代わりに、一度上位を取った入口は止めても残ります。D2Cが作るべきは、この「止めても残る入口」の方です。

何を、どの順でやるか——D2Cが最初に踏む4ステップ
ここからが本題です。順番を間違えると、いちばん時間のかかるところから手を付けることになります。あなたのブランドで最初に踏むべき順番は、次の4つです。
- 1
狙う言葉を、感覚ではなく実測で棚卸しする
あなたの商品まわりの候補語を一括で調べ、月間検索数と前年比を1年ぶんで見ます。感覚で「これが検索されそう」と決めると、たいてい外します。数字を見れば、いま需要が伸びている語と、しぼんでいる語がはっきり分かれます。
- 2
書く前に、1ページ目を目視で数える
候補語を実際にGoogleで検索し、1ページ目の顔ぶれをスクリーンショットで確認します。大手・専門業者が独占していれば、そこは書かずに撤退。書かない判断を先にすることが、いちばん効くコスト削減です。 当社は記事の品質基準を「新規性 × 労力 × 専門性」のAND条件にして、この撤退判定を関門にしています。
- 3
AIが引用できる形で書く
2026年7月22日に「AI検索 対策」で検索したとき、Googleの「AIによる概要」自身が最重要として挙げていたのは「結論ファーストの文章構造」「Q&A形式の明記」「一次情報の積極的な発信」の3点でした。答えはAIの側が公開しています。他社が書ける一般論ではなく、自社の数字・体験を入れることが、そのまま引用される条件になります。
- 4
構造化データとFAQで、機械にも読ませる
人間向けの文章だけでは、AIは「何のブランドで、何を売っていて、どこが違うのか」を確定できません。商品情報の構造化データとFAQを明示し、結論ファーストで書く。特別なツールは要りません。当社はこの作り込みで、指名検索「テマナシSEO」で自然検索1位を取り、AIによる概要が当社を正しく説明・引用する状態を作れています。
この順番の効き目は、店舗向けのブログ運用で実測があります。1ページ目を数えて「競合が空白」と判定した語で書いた記事が、公開1週間で自然検索1位になりました。立ち上げて間もないドメインでもです。逆に言えば、順位が取れなかった記事の多くは、書き方ではなく場所選びで負けています。
ここまでが「始め方」です。SEO/AIOは公開して終わりではなく、ここからが運用になります。公開後は、Search Consoleで各記事の表示回数と掲載順位を毎月見て、伸びた記事の周辺語を足し、伸びなかった記事は書き方ではなく狙う語(場所選び)から見直す。この「測って・足して・直す」を毎月回すことで、入口が少しずつ増えていきます。1本公開して当たるかどうかではなく、当たった入口を育てて広げていく作業です。
「もう埋まっているのでは?」——後発でも、いま入れば間に合う
「大手がもう書き尽くしているのでは」と思うかもしれません。実測すると逆でした。理由は、お客さんが検索する言葉が、この1年で入れ替わっているからです。いまD2Cで売れている健康・食・インナーケア領域の商品語だけでも、こう分かれていました(月間検索数はラッコキーワードで実測/集計期間2025年7月〜2026年6月)。
| 検索語 | 月間検索数 | 前年比 |
|---|---|---|
| 電解質 パウダー | 1,900 | +650% |
| 冷凍弁当 | 40,500 | +84% |
| 飲む日焼け止め | 22,200 | +14% |
| オートミール | 135,000 | -34% |
| 腸活 | 49,500 | -29% |
| 完全栄養食 | 14,800 | -24% |
同じ健康・食の欲求でも、それを表す言葉は入れ替わっています。「オートミール」のように一度定着した大きな語は前年割れに転じ、「電解質 パウダー」のように新しく生まれた語が前年比+650%で伸びている。そして新しく伸びている語ほど、書き手の供給が追いついていません。空いているのは、この側です。
同じことが、あなたの商品カテゴリでも起きています。定番の大きな語で正面から殴り合うのではなく、いま伸びている新しい切り口の語に先に入る——これが、後発でも間に合う入り方です。まずは自分のカテゴリで、定番語と新しい語の検索数を並べて見るところから始まります。
当社は、狙いをこうした新しい語に絞ったことで、この領域の検索ですでに自然検索の上位に入れています。強いからではなく、席が空いているからです。今から入るあなたにも、同じ席が残っています。

検索数が月10回しかない語を狙う意味はありますか?
あります。たとえば「D2C SEO」という語は月10回ですが、これを打つのはD2Cの事業者本人だけで、消費者は1人も混ざりません。検索数の小ささは、意図の純度の裏返しです。さらに新語のうちに上位を取っておくと、その語が育ったときに席を持った状態から始められます。逆に「D2C マーケティング」は月140回あっても、1ページ目が大広・株式会社D2C・W2 Commerceで埋まっていて、いま入る余地はありません。数字の大小より、誰が打つ語か・空いているかを見てください。
SEOで1位を取れば、Googleの「AIによる概要」にも自動で載りますか?
自動では載りません。ただし無関係でもありません。2026年7月22日に「AI Overview 対策」で検索したとき、Googleの「AIによる概要」自身が、参照元は「検索結果の1〜2ページ目(特にトップ10以内)から選ばれる傾向が非常に強い」と要約していました。つまり順位は必要条件に近く、十分条件ではないということです。載るためには、構造化データ・FAQの明示・結論ファーストの作り込みが別途要ります。
まとめ:広告が回っているうちに、「安く見つかる」土台を作る
広告のCPAは、あなたの努力とは関係なく上がり続けます。止められないコストに利益を削られ続ける前に、止めても残る入口を作っておく——それがD2CにとってのSEO/AIOです。やることは、効く/効かないの議論ではなく、①候補語を実測し、②1ページ目を数え、③空いている語に、④AIが引用する形で書く、の4つ。伸びている新しい語には、後発でもまだ席が残っています。その席が空いているかどうかは、今日あなたのカテゴリで数えれば、すぐ見えます。
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この記事を書いた人

杉山 誇京
株式会社FiTin 代表・テマナシSEO/AIO運営
デジタルマーケティング大手・オプト出身。大手メーカーから飲食店舗まで、幅広い業種のマーケティング支援に携わってきた。現在はマーケティングと開発の両方を武器に、EC・店舗・住宅など業種を問わずWeb集客サイトを自ら制作・運用している。
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